1-1.使用するパーツ(module)を手元に揃える。
▶パーツプラスミド(module plasmid)のライブラリーから必要なものを選ぶ。
▶発現させたい遺伝子ORFのPCR増幅断片を用意する。テンプレートの混入を避けるために切り出し精製を行う。

1-2.使用するパーツ(module)の濃度を揃える。
▶各module plasmidsを25倍希釈し、濃度(ng / μl)を吸光度計を用いて測定する。
▶各module plasmidsをddH2Oにて 20 fmol / μlに希釈する。加えるddH2Oの量は下記の計算式に則って計算する。
  *吸光度計による測定結果をA (ng / μl), module plasmidの長さを B (bp)とする。
  各module plasmidの長さはこのページの下部に掲載した
  module plasmid 4 μlに対し加えるddH2Oの量 (μl) = 



2-1.以下の組成でPCRチューブ内に反応液を調製する。
  BsaI (NEB, #R0535S)          1.5 μl
  T4 DNA ligase (Promega, #M1794)   0.5 μl
  10x T4 DNA ligase buffer         2 μl
  module plasmids (20 fmol / μl)     各1 μl
  ddH2O               up to 20 μl
  total                   20 μl
  *T4 DNA ligase bufferは析出しやすいので、ボルテックスにてよく懸濁し使用する。

2-2.以下のサイクルでGolden Gate反応を行う。
  1: 37℃                1 min
  2: 37℃                2 min
  3: 16℃                5 min
  4: go to step 2      additional 49 times
  5: 50℃               10 min
  6: 80℃               10 min




3-1.Golden Gate反応終了後、反応液 2 μlを大腸菌 100 μlに加え、形質転換を行う。LB+Ampプレートにまく。

3-2.生えてきた大腸菌コロニーを液体培養し、プラスミドを抽出する。

3-3.抽出したプラスミドを制限酵素NotI にて消化し、確認を行う。
▶LB+Ampプレートによる選択のみでは、Golden Gate法によりligationされたplasmid [1]Vector moduleそのもの [2] を区別することができないため、抽出したプラスミドをNotI で消化し、電気泳動を行う。
▶これによりVector moduleにクローニングされているDNAの断片長が分かるので、両者([1]と[2])を区別することができる。



▶ligationに成功したプラスミドを制限酵素FseIにより消化し線状化することで、分裂酵母染色体へのintegrationが可能となる。
FseIによる消化がうまくいかない場合は、プラスミドをフェノール・クロロホルム抽出あるいはカラムにて精製する。
▶integration後の選択は、kan, hph などの選択マーカーを利用して行う。




[新moduleを作製する際の留意点]
・全てのmoduleの末端の配列は 5'-tttGGTCTCaNNNN-3' である('N'はmoduleの種類により異なる)。
・cohesive end 'b' (=TATG) は翻訳のための開始コドンを含んでいる。
・cohesive end 'c' (=CTG A) によって読み枠がずれるのを防ぐために、'c'の3'側に適当な2塩基を追加し次のmoduleを繋げる。
・cohesive end 'd' (=GTCT) の5'側には翻訳を停止させるための終止コドンを入れる。
・Vector (fa) module の両端にはNotI の認識サイトを付加した上でBsaIのサイトをつける。
 (5'-tttGGTCTCaGCGGaaGCGGCCGC-(specific 20b)-3')
・作製されたプラスミドがBsaIによって30分~90分で消化可能であることを確認する。

[補足]
各moduleの長さ